ユヴァル・ノア・ハラリ(著)「21 Lessons」を読んでヴィパッサナー瞑想に興味を持った僕ですが、2023年と2024年の夏にヴィパッサナー瞑想 10日間コースに参加しています。
2回のコース経験を通じて、初めて参加する人にはかなり勇気のいるコースだと感じました。
そこで、瞑想による効果だけでなく、
- コース中に起こった経験
- コース中の瞑想スケジュールや食事に関して
- 施設内の設備やあったら良いもの
など、初めて参加する人が欲しいであろう情報に力を入れて記事を書いております。
また、僕は無宗教かつヴィパッサナー瞑想以外の瞑想経験はありません。なので、他の瞑想方法の比較などはできませんが、体験したことを素直に書いて共有できればと思います。
ヴィパッサナー瞑想とは
「ものごとをありのままに見る」という意味のヴィパッサナーは、インドの最も古い瞑想法のひとつです。この瞑想法は2500年以上も昔、インドで、人間すべてに共通する病のための普遍的な治療法、すなわち「生きる技」として指導されました。
ざっくり言うと、呼吸の観察から始まり、体の至る所の感覚を観察し続ける瞑想法です。
ゴーダマ・シッダールタ(ブッダ)が再発見した瞑想法で、インドからミャンマーにわたり、そしてS・N・ゴエンカ氏がミャンマーからインド、そして世界へ普及させました。
ここまで聞くと、ヴィパッサナー瞑想とは仏教の教えのように感じますが、そうではありません。
これはブッダが再発見した瞑想法です。
仏教に限らず、あらゆる宗教は時代とともに徐々に変化し、謎の要素が着色されたりとワケワカメになるのは皆さんご存知かと思います。
ですが、ヴィパッサナー瞑想はブッダが再発見した瞑想法をそのまま伝えられているというのが特徴です。
ヴィパッサナー瞑想はやばい?宗教なの?
ヴィパッサナー瞑想は宗教とは関係なく、ただの瞑想方法です。
そこに宗教や人種などで選ばれることなく、どんな人でも瞑想コースに参加することができます。(ただし、コース参加中は一切の宗教的行動を慎む必要がある)
むしろ、宗教色を排除して瞑想するように注意喚起されることが多く、皆さんが危惧するような「洗脳される」という危険性はありません。
特定の誰かを敬う必要はありませんし、コースが終了したら戒律を守るかはご自身で判断してくださいってスタンスです。
【初めての人向け】ヴィパッサナー瞑想10日コースの詳細
日本ヴィパッサナー協会だけではわかりにくい、気になるポイントを含め、初めての人向けに噛み砕いで紹介します。
ヴィパッサナー瞑想コース中の規則について
- 生き物を殺さない。
- 盗まない。
- 性的な過ちを犯さない
- 嘘をついたり、とげとげしい言葉を使わない。
- 酒類や薬物などを摂らない
コース中は上記の5つの戒律(シーラ)を厳守します。
この中でも特に守るのが難しいとされるのが、(4)嘘をついたり、とげとげしい言葉を使わない。という部分です。
そこで、コース中(最終日を除く)は完全沈黙。会話、ジェスチャー、アイコンタクトなど全て禁止。という規則が設けられています。嫌でも(4)の戒律が守れるということです。
他の規則としては、
- 携帯や財布などは預ける
- 書籍や筆記用具は持ち込み禁止
コース中の貴重品を管理していただけるのはありがたい!
スマホを見ることはできないので、人によってはかなり辛いかもしれないですね。
読み物や書くものの持ち込みも禁止で、講話などをメモしておきたいと思ってもできません(笑)が、逆に真剣に聞くことができるような気もしました。
ちなみに、コース完遂時には「実践の手引き」と呼ばれる冊子をいただくことができるので、特にメモする必要もありませんでした。
超ハードすぎるスケジュール ~己との戦い~
- 04:00起床
- 04:30瞑想瞑想ホールまたは自室で瞑想
- 06:30朝食
- 08:00グループ瞑想瞑想ホールで瞑想
- 09:00瞑想瞑想ホールまたは自室で瞑想
- 11:00昼食・休憩
- 13:00瞑想瞑想ホールまたは自室で瞑想
- 14:30グループ瞑想瞑想ホールで瞑想
- 15:30瞑想瞑想ホールまたは自室で瞑想
- 17:00ティータイム・休憩
- 18:00グループ瞑想瞑想ホールで瞑想
- 19:00講話
- 21:00終了
- 21:30消灯
毎日約10時間ほど瞑想することになります。
ご想像の通りかなりキツイです笑
「ここさえ乗り切れば…」というポイントもあると言えばあるのですが、その日その日で新たな課題が生まれて向き合わなければならない、みたいな流れを10日間繰り返した印象です。
特にキツイと感じたのが、4日目以降のグループ瞑想です。
それまでは足を組み替えたり動いたりしても良いのですが、それ以降は可能な限り1時間は完全に停止するように求められます。
足は痺れで感覚はなくなり、膝や腰、背中の痛みに耐え続けます。。。
とはいえ、周りに迷惑をかけず、手を抜いたとしても叱責されることはありませんし、動こうと思えば動けます。
結局、自分の意思の強さが問われているような気がしました。
己との戦いです…
コース中のご飯について
殺生が禁止されているので、肉類や魚類などは無く、穀物と野菜中心の健康的な食事が提供されます。
朝、昼は比較的しっかりと食べますが、夜はちょっとしたフルーツのみになります。
精進料理のような味気なくて耐えて食べる印象があるかもしれませんが、忖度抜きで食事はかなりおいしいと思いました。
コース終了後に「焼肉やラーメンと食べたい!」みたいな感情はなく、作ってくれるならコース終了後にでも食べ続けたかったです。
日頃、暴飲暴食がクセになっている人は少しストレスかもしれないですね。
京都ダンマバーヌの施設について
施設内の写真は禁止なので、イメージだけでも共有できればと思います。
※2024年7月時点
部屋
初参加者(新しい生徒)は5人または2人の相部屋になります。(5人部屋だけかも…)
簡単なセパレーションがあり、扇風機が2台あります。(湿気が多いシーズンだったためか除湿機もありました)
京都の山奥にあるためか、暑くて寝苦しく感じることはありません。
ただし、耳栓とアイマスクは持ってくるのがおすすめです。
耳栓は、同部屋にいびきがうるさい人がいたり、ベッドが古くて軋む音がしたりするので必須です。
消灯は21:30となっていますが、1日の最後の瞑想が終わる21:00からすぐに寝たくなることも多いので、一応アイマスクも準備しておくのが良いでしょう。
タオルをアイマスク代わりに使っている人も多かったですね。
トイレ
小便器が2つ、大便器が3つあり、人数的にかなり余裕があります。(※男性用)
掃除も綺麗に行き届いており、施設のイメージと違ってかなり清潔だと感じました。
ただし、ウォシュレットはありません。
私は切れ痔になるのが嫌で携帯ウォシュレットを持って行って使用していました。(使用可能であると確認済み)
洗面所
洗面所にシンクは4箇所あり、こちらも人数的に余裕がありました。
シャワー室
シャワー室は3部屋あり、決まった時間内のみ使用することができます。
3部屋中1部屋はバスタブのようなものがあって使いづらいです。また、使用時間が限られているので、お互いに様子を見ながらサッとシャワーを浴びている人が多い印象です。
大体、1回あたり10分〜15分くらい使う人が多かったです。男性だとサッと使って出てくれる人が多かったので、みんな快適に利用できていたと思います。
また、洗面所にドライヤーもあります。が、使用率は低そうでした笑
洗濯
洗濯はバケツにお湯 or 水を入れて、備え付けのココナッツ由来の洗剤で手洗いするのみとなります。
手洗いした後、外にある脱水機にかけ、洗濯物を干すスペースにあるハンガーやピンチを使って乾かすことができます。
脱水機は絶対に使いましょう。使わないと乾きません笑(使い方にクセがあるので、コース前に実際に使用方法を確認するのがおすすめ)
また、2回目はハンガーやピンチの使用率が高かったです。自前で少しハンガーを持ってくれば良かったと思いました。
ヴィパッサナー瞑想 10日コースの日別体験談
受付後、食堂で最初のガイダンスが始まるのを待ちます。
皆さん「しゃべってはダメ」と思っているので、会話しづらいと思います笑
大声はダメだと思いますが、ガイダンスが始まる前にまで、以下のことを確認しておくと良いかもしれません。
- いびきがうるさいなら伝える。耳栓を持っているかの確認
- だれが消灯するか?(最後に寝る人など)
- 洗濯の仕方、脱水機の使い方
鼻の出入り口付近の呼吸を観察し続けます。
おそらく初参加の場合、そこに注意を留めておくのは不可能です笑
僕も注意が散漫になり、強烈な眠気が襲ってきます。それでも負けじと注意を戻すを繰り返してしました。
夜になると頭痛がしてきますが、正常な反応だと後々講話で紹介されます笑
前日より注意を向けることができる時間が増し、眠気もマシになった感覚はあります。
しかし、意識は散漫で変な妄想が止まる気配はなく…笑
気づいたら鼻に意識を引き戻す。を根気強く繰り返しやっていました。
ちなみに1日目から頭痛はかなりマシになってきます。慣れてくるんですね。
鼻の下のみに注意を払うように範囲をより絞っていきます。
意識があっちこちに行くのは変わりませんが、その頻度はより少なくなってきました。
しかし、膝や腰の痛みが蓄積され、座っていることがかなり辛くなってきました。
4日目は本格的にヴィパッサナー瞑想を学ぶ日になります。
鼻の下のみに集中すればよかった以前と違い、全身のあらゆる部分に意識を巡らせます。
あまりにもできなすぎて、初日と同じく集中力が持たずに眠気と妄想で全くできません。。。
全身を少しづつ感覚を磨き、徐々に包括的に全体を意識していく訓練を積んでいきます。
4日目までは、ほとんどがまだ気力があって頑張って耐えてました。
しかしこの段階になると、瞑想についていくのに諦めたり妥協したりと、人によって瞑想に取り組む意識が大きく違ってきたように感じました。
良くも悪くも慣れてくるので、6日目以降の離脱は少ないらしいです。
ここからが勝負!と思い頑張っていると、6日目に左膝から「パンッ」と音がして、膝関節がズレる怪我をしました。(帰宅後検査したら半月板やってました😂)
幸い痛みは少なかったので、体勢を工夫して最終日まで続けましたが、膝が気になりすぎて、あまり瞑想に集中できなかったように思います。無理しすぎたのは反省です。
10日目は聖なる沈黙が解かれ、他の参加者の人たちと話すことができるようになります。
瞑想時間もグループ瞑想のみとなるので、頭の中ではエンドロールが流れていました笑
コース終盤で他の参加者と話すことで、瞑想中にどのような変化を感じたか?どんな体験をしたか?また、どのような背景があって参加したかなどで結構盛り上がりました笑
また、何十回も参加されている方にお話を聞いたりできたのも良かったです。
10日目に集中して瞑想はできませんが、コース終了後に継続するモチベを上げる重要な日だと感じました。
午前中に簡単な瞑想や講話を聞き、掃除をして各自解散となりました。
ヴィパッサナー瞑想コースのその後|どんな効果を感じた?
瞑想中や帰ってきてから感じた効果はこんな感じです。
- 集中力がアップする
- 細かいことを気にしない、イライラしない
- 心配事や不安な事をあまり意識しなくなる
仕事はもちろん、家事や勉強などでも、そこに意識を集中して取り組むことができるようになります。
具体的には「仕事中でも20%ぐらいしか集中できておらず、80%は他の事を考えたり、どうでも良い事に悩んだりすることに脳のリソースを使っている」と感じたりしたことないですか?
それが、仕事80%、他の事20%くらいの割合になれます。
正直、この感覚になるだけで生きることがかなり楽になるように感じます。
また、細かいミスや、他人からの叱責や気になることを言われても、引きずる時間がかなり短くなります。
「反省はするけど落ち込まない」「ピリピリした雰囲気が出なくなる」といった変化も感じることができます。
気持ちに余裕が出るためか、過去のことは「終わったことは変えられない」、未来のことは「考えても何も変わらない」みたいな感じでスパッと割り切れるようになったりします。
瞑想した結果、脳がクリアになってストレスを取り込まなくなります!
ただし、コースに参加しても瞑想を継続しないと元に戻ってしまいます。(前回、8日目に病気で離脱した時はそうだった)
帰った後は、毎日2時間は瞑想に当てるように指導されるのですが、ずっと続けれる人は少ないような気がしますね笑
ですが、瞑想前後で「大きく心が軽くなった」という実感を繰り返し思い出すことでモチベをキープし、瞑想を続けていけたらと考えています。
どんな人が参加してた?ヴィパッサナー瞑想の参加者について
10日間の瞑想コースに参加するなんて、さぞ変わった人が多いのだろう。。。と思ってくる人は結構多かったです笑
ですが、新規参加者の8~9割近くはその辺にいる普通の人だと感じました。
具体的には以下のようなタイプの人が多い気がします。
- 常にイライラしてしまう人、怒りっぽい人
- お金や健康など、将来に不安を感じている人
- 自分を見つめ直すキッカケとして参加した人
- いろんな瞑想(修行?)に参加してきた人
細かな理由は十人十色でしたが、メンタル面のコントロールを安定させたい思っている人が多い印象でした。
ですが、みなさん深刻に悩んだ結果、決意して来られた人ばかりで、気楽な気持ちで来る人は少なかったと思います。(中途半端な気持ちで来ると、キツくて途中で帰ると思います。。。)
知ったキッカケは、「知人から教えてもらった、知人も参加していた」が一番多かったです。
僕は「21 Lessons ユヴァル・ノア・ハラリ(著)」という本で初めて知り、興味を持って参加したパターンで、同じように知ってきた人も1人いらっしゃいました。
また、数人ほど他に何かしらの修行を積まれてそうな人もいます。(日常的にヨガとか坐禅とかやってそうな人)
このタイプの人は最初から綺麗な姿勢で瞑想し続けているので、なんとなく違う雰囲気を感じました。
10日間での変化についても聞き合いましたが、劇的に大きな変化を感じれて良かった!という人は少なかったように思います。
しかしコースを通じて、なにかしらの変化は個々感じているようでした。
1年に1回は10日コースの参加が推奨されていますが、「来れば良いとは思うんだけど、なかなか時間とやる気が…」とコメントされる人が多かったです。
コースを体験するとこの気持ちがめちゃくちゃわかります笑
【要チェック】コース参加時の個人的おすすめ準備アイテム
メールで必要なモノに関しては告知してくれますが、書いてないけど持って行ったほうが良いものを紹介します。(※持ち込み可否はメールで確認することができます)
虫さされの薬
瞑想中はどんな感覚が生じても、反応せずに観察を続ける必要がありますが、初心者の場合はかゆみを感じて瞑想を続けるのは難しいと思います。
山の中に瞑想センターがあるので、虫に噛まれたり草で擦ったりと、痒みは頻繁に発生します。
個人的にはムヒアルファEXがおすすめです。刺された部分を治療するだけでなく、かゆみを抑える効果がピカイチです。
座布
座布とは座禅布団の事で、座る位置を若干高くすることで、骨盤が立った綺麗な状態をキープしやすくしてくれます。
お坊さんがお経を唱えるときに、お尻に敷いているものを見たことはありませんか?アレです!
(事前にメールで確認したところ、使用OKとのことでした)
現地の瞑想ホールでは、座布団を使って簡単な高さ調整ありますが、それだけでは不十分な人が大半です。
自分のタオルであったり、瞑想ホールにあるクッションを使わせてもらって、各個人に合うようにカスタマイズし出すと思います。
日頃から座布を使って座るトレーニングをしておけば、現地でも環境の変化が少なく瞑想できるので、かなりおすすめです。
手前味噌ですが、僕が日頃から使っていて持ち込んだ座布がこちらになります。
お値段は少し高めですが、長時間座っても型崩れを起こしにくく、表面が滑りにくい素材なので、楽に良い姿勢をキープしやすくて気に入ってます。
また、白帯の部分はお尻あたりに配置するのですが、この部分だけ若干少し硬めの素材が入っています。
黒の部分だけで座ると沈み込みやすく、白の部分に近づくほど高さを出して座ることができます。
本当に若干の違いですが、何日も座り続けているとこの微細な違いが本当に助かることが実感できると思います。
携帯ウォシュレット
大便器にウォシュレットがないので、痔が心配な人は必須のアイテムです。
バスタオル
参加に必要なリストにもバスタオルは書かれていますが、大量に持っていくことをおすすめします。
体を拭くために使うのではなく、瞑想時の高さ調整を含めて何かと役に立ちます。
初参加者がコース前にやっておいた方が良いこと
お尻や足周りのストレッチ
あぐらや坐禅、正座など長時間座り続けるのはめちゃくちゃ辛いです。
体が硬いまま参加すると、背中や腰、膝や足首などを痛めやすく、瞑想どころではないほど全身が痛みます。(結果、心が折れて帰る方や手を抜いてしまう人が出る印象です)
初日では問題なくてもボディーブローのように効いてきます。座っている時のちょっとした歪みが蓄積され、痛みとなって出現してくるのですorz
完全に痛みが無く座れる人は絶対いないと思いますが、僕のように無茶して半月板を怪我するような事があってはアホです笑
毎日数時間、実際に座ってみる
ご飯を食べる時、スマホを触る時、テレビや動画をみる時などで良いので、実際に瞑想しようと考えている姿勢で座り続けてみましょう。
10~15分くらいなら問題ないと思いますが、1時間〜になってくると足が痺れたり姿勢のキープが難しくなると思います。
おそらく、日頃そのような筋肉を使っていない人は筋肉痛になると思うので、参加前に鍛えておくことでコースに耐えれる確率がグンと上がる気がします。
まとめ
ヴィパッサナー瞑想の参加に迷っている方向けに、コースの感想などを書いてきました。
記事を見返してみると、瞑想の効果に関してはふわっとした説明で、コース内容や施設の設備、必要な準備物、そして体の痛みや怪我についてよく書けたのではと思ってます。笑
具体的な効果について詳しく知りたい人は多いと思いますが、実際に体験しないとこの瞑想法の価値は実感できないと思います。
この瞑想法は「自分で体験し、自分で実感し、自分で納得する」ことをかなり重要視していると思います。
自分の意思でコース参加を決意し、誰か偉い人に言われたから従うのではなく、自分でやってみて納得するからこそ効果を発揮するのだと感じれました。
すごいハードで時間も使う瞑想コースなので、参加に二の足を踏む人は多いと思いますが、そんな人の助けになるような情報を伝ることができていれば嬉しい限りです。